嵐の憂鬱PartU

裏切り〜第35回スプリンターズS〜

秋競馬の訪れを告げるG1となったスプリンターズSに、
久々に競馬を楽しみに中山に訪れた俺とアホヌラ。
競馬場に行くのはNHKマイルC以来というまさに休み明けであった。
ローカルを回り順調に経験を積んできて前半から順調に的中していくアホヌラに対し、
こちらは血迷って謎の万券狙い連発。
血統で決めたり、騎手で決めたり、メチャクチャである。
当然当たるはずもなく刻々とメインレースの時間が近づく。

そして10レースで事件が起こる。
クリノユメオーに騎乗した吉田豊騎手が落馬したのである。
そのとき好調メジロダーリングの騎手が変わってしまうのではないかと嫌な予感がしたのだが、
その予感は見事的中。
田中勝春騎手に乗り変わりである。
そのとき俺はメジロダーリングを本命にしていたので今更変更の余地はなく、
結局他にダイタクヤマト、ブレイクタイム、シンボリスウォードをボックスでまとめて購入した。
そしてメインレース。
久しぶりにファンファーレを聞き、俺も、アホヌラも(たぶん)興奮し、
競馬場が異様な熱気に包まれる。

スタート。
ダイタクヤマトがポーンと好スタートを切る。
内からメジロダーリングが前に出る。
その外からユーワファルコンが先頭に立つ。
そのままレースは最終コーナー。
ユーワファルコンがバテてメジロダーリング先頭。
外からダイタクヤマト。
1番人気ゼンノエルシドは内、しかし伸びない。
さらに外から買っている人気薄のシンボリスウォードが!
「差せ!」
と心の中で願う。
しかしメジロダーリングの方に目をやると馬が2頭重なっているように見える。
ゴール前その内側にいる馬がメジロダーリング、ダイタクヤマトらをおさえて、
先にゴールしてしまう。
「何だあれは?」
皆口々に叫ぶ。
トロットスターであった。
春の短距離王であり、実際俺が高松宮記念で的中させていた馬である。
安田記念で大敗を喫したあと、休養明け、ぶっつけ本番、調教もイマイチ、馬体重大幅増…
買えない要素がたくさんあったトロットスターである。

写真判定をみるとなんとあのシンボリスウォードが4着まで詰め寄っているではないか。
2着メジロ、3着ダイタクなのでもしトロットスターがいなければ大もうけであった。
アホヌラと一緒にトロットスターの降着を願うもそのかいなく確定。
表彰式の蛯名に中指を立ててやつあたりをする。
しかしこれはもしかすると裏切った俺への裏切りだったのだろうか。

ごめんな蛯名。
ごめんよトロットスター。

でもしばらく蛯名さん憎ませてもらいます。

第35回スプリンターズS結果


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